音声制作
LABメインページに戻る
チーム訪問:Gabriella Scanio
Gabriella Scanioは2018年にポストプロダクションコーディネーターとしてSIDE に入社し、最近ポストプロダクションのヘッドに昇進しました。VR向けのサウンドデザインやミキシングの経験を持つ彼女は、ゲームや音声制作のニーズをよく理解しています。
「私はこの職業に就くまで、とても真っ直ぐでオーソドックスな道のりを歩んできました」と彼女は言います。「ハル大学でクリエイティブ・ミュージック・テクノロジーを学び、その後すぐにウェストミンスター大学でインタラクティブ・メディアのための応用音響の修士号を取得しました」
サウンドデザインや音響心理学(音の知覚とその生理的効果を研究する心理学の一分野)、アニメーションについて幅広い知識を持つGabriellaは、Alchemy Immersiveのテクニカルランナーとしてそのキャリアを開始しました。「すぐにVRサウンドデザイナーに昇進し、ハイエンドなVRドキュメンタリーに取り組むことになりました。本当に刺激的な開発チームで、Dame Judi Dench、Sir David Attenborough、Major Tim Peakeといった有名人を招いた仕事を経験できました」
さまざまなオーディオコンテンツを使った3D空間オーディオミックスを作り始めたとき、Gabriellaはインタラクティブオーディオを通してストーリーを伝える開発をサポートしたいと思うようになりました。ゲーム開発に興味を持ったのはこれがきっかけです。さまざまなVR体験を試したり、UnrealやUnityで実験したりするのと並行して、Twitchでゲームのインフルエンサーになったりしていたら、気がついた時にはストーリーテリングに情熱を注ぐ相当なゲーマーになっていました。
「そんな楽しい日々を過ごしているうちに、契約期間が終了になったのです」とGabriellaは説明します。「自分が身に付けた新しいスキルや新しい興味を忘れたくありませんでした。そんな中で、ゲーム専門の音響プロバイダーでのポストプロダクションコーディネーターの仕事が目に留まったのです。当然応募しました。面接の時のことは今でも覚えています。『ゲームはやりますか』と聞かれ、当時のお気に入りだった『バイオハザード7 レジデント イービル』について答えました。そして2週間後に、SIDEに入社したんです!」
Gabriellaは自身の仕事人生の面白い部分として、毎日業務が違うことだと断言します。「急な依頼への対応、案件の解決、リソースの確保、コスト管理、人材管理など、色々な業務があって、よくある一日というものがありません。むしろ、どの肩書を使っているかで業務内容が決まるんです。ただし、ほとんどの日で共通していることとして、何か解決策を見出す仕事をしています。“革新的な思考”は自分の仕事でとても有益です」
「この話題はここまでです。さて、これが自分のチームをどうサポートしてくれるか… もっと成果を上げられるか…」と、彼女はいつも考えています。Gabriellaは、自分自身によく大きな仕事を課していることに気づきました。丁寧に一生懸命に働きながら、同時に自分自身を大切にすることを心に決めて、毎日をスタートします。長時間デスクに座っているので必ず休憩を取ります。休憩のときはストレッチをしたり、コーヒーを飲んだり、これから先のことを考えたりもします。「ウォーキングやダンス、ヨガなど、体を動かすことで心がアクティブになり、急な依頼が舞い込むようなプレッシャーの中でも落ち着いて仕事ができます」
彼女のポジションでは、内的または外的な障壁に対処しなければならないことがよくあります。「ゲーム音声の仕事で直面した最大の難関は、ローカライズでした」とGabriellaは言います。「世界には英語を話さない人がたくさんいるので、コンテンツをそうした人たちの住む地域に対応させる必要があります」ゲーム内のムービーでは、他言語のセリフを既存の英語のアニメーションとシンクロさせる必要があります。他言語のタイミングに合わせた再アニメ化は、かなりお金がかかるんです。「多くの声優はこれを克服するアフレコの経験が豊富で、映像のリズムや流れを新しいセリフに合わせられる専門家ですが、顔がアップになる場合は難しいこともあります」
SIDEのポストチームは、収録の前にエンジニアと一緒に適切なワークフローを作ります。「Sync-to-Pictureでは通常、エンジニアがファイルにタイムスタンプを埋め込んで書き出すため、編集時に最初と最後を切り取る必要はありません」とGabriellaは説明します。「ポストでは、タイムコードがずれないようにしながら、クリーンアップを行います。俳優が同期を取るためのタイミングの基準として、ほとんどの場合英語の録音が使われます。ドイツ語のように、同じセリフを伝えるのにより多くの単語や音節が必要な言語もあることを考えると、これが完璧であることはほとんどありません。そのため、元のタイミング基準に合わせた代替のセリフを録音します。
「また、ゲームエンジンに音声を実装する際に、ファイルサイズが異なると問題が発生するので、そのためにも英語ファイルの長さと一致させる必要があります。その結果、ポストでは、無音でファイルを埋めるか、セリフの自然な流れに影響を与えずにできるだけ間を削るかが問題になります」
Gabriellaは、新しいことに挑戦したり、何らかの形で夢中になれるようなプロジェクトが好きだったと振り返ります。
『レゴ®スター・ウォーズ/スカイウォーカー・サーガ』:「SIDEが約1年かけて7ヶ国語で録音したものです。パンデミック中に、ロックダウンの状態でセリフのほとんどを録音したことが一番印象に残っています。そのため、ホームレコーディングの実行など、これまで考えもしなかった方法で問題を解決する必要に迫られました。ポストプロダクションチームは、こうした録音をきれいにするためにクリエイティブな時間を過ごしました。でも、もちろん、ポストへの負担が大きくならないように、まず適切な環境で録音することが一番です。大変でしたが、楽しくもありました。マルチタスクの能力が開花し、集中すればどれだけのことができるのか分かりました。自分でも驚いています」
『ジュラシック・ワールド・エボリューション (JWE) 2』:「このゲームが好きになったので、必ず加えておきたいものです。SIDEが収録を担当していると聞いたので、最初から飛びつきました。QAの間台本をたどっていくとうちに、書かれている内容から恐竜について学ぶことができたので、楽しいだけでなく勉強にもなりました。ゲーム内でパークを運営することになりますが、これはSIDEでの部署のマネジメントに似ています。スタッフはゲームに出てくる恐竜のようなものです。リソース(JWEでいう食料)を与えれば満足し、自分たちの幸福のためにフラストレーションを発散し(JWEでいうフェンスを壊す)、あるいは単に知識(JWEでいう研究)を共有すれば生き生きと活躍しま
『ヒットマン2』:「『ヒットマン2』はSIDEに入社して最初に手がけたゲームで、SIDEで初めてゲームクレジットに掲載されました
『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク:「この作品は、私が初めてポストプロダクションの予算を管理したもので、それとともに部門が発展していくのを目撃することになりました。高度なマスタリング技術を駆使することで、チームが時間をかけてプロセスやツールを改善することにつながりました。チームのメンバーが成長し、プロジェクトがスムーズに進行していくのを見て、監督・管理者としてとても嬉しい気持ちになりました」
Gabriellaは、どんなプロジェクトでも、脅威やリスクを素早く察知し、最高の状態で遂行することが必要だと学びました。「自分自身が守り、毎日複数のプロジェクトを処理しているチームの他のメンバーに教えていることが3つあります。
最後に、GabriellaがSIDEで最も楽しいと思うことについて教えてくれました。「私たちは皆、異なるタイムゾーンで仕事をしていますが、プロジェクトや目標に対して同じビジョンと献身を共有していることを常に確認でき、とても嬉しく思います。自分と同じくゲーム愛の強い人と一緒に働けるのも、この会社のいいところです。迅速かつ前向きで、協力的なチームで貢献することで、私はSIDEで様々な意味で成長することができました。