音声制作
LABメインページに戻る
台本からスクリーンへ:SIDEにおけるゲーム声優のプロセス
SIDELondonのゲームオーディオスタジオは、XboxOnのウェブシリーズ「The Methodのエピソード 「How to Get the Best Video Game Performance」で最近紹介されましたこの10年間で最も象徴的なキャラクターの演技を生み出した舞台裏を紹介するエピソードについて、詳しくは以下をご覧ください。
本エピソードでは主にNinja Theoryの 『Senua's Saga: Hellblade II』 と、Melina Juergens演じる主人公セヌアに焦点を当て、そのキャラクターを演じるために必要な感情的な深みについて解説しています。しかし、それを探っていく途中でXbox Onの制作陣はSIDE Londonスタジオに立ち寄ります。続編と新作ゲームの両方で、声優と脚本家がどのように協力してキャラクターを作成し、前進させるかについて、さらなる見解を求めました。
動画内の重要ポイントの要約や、卓越したキャラクター演技に命を吹き込むために必要なものについて、こちらからSIDE Londonの記事をお読みください。
SIDEは、25年以上にわたって大規模なインディースタジオやAAAタイトル制作スタジオと業務にあたってきた、業界のリーダー的企業であり、ゲームのための最高品質のボイス・オーディオ制作を提供しています。SIDEが初めて設立された都市、ロンドンに位置するSIDE Londonスタジオに、Xbox Onの司会であるHenryを迎えます。彼は「この壁の中で制作されたキャラクターは、ゲーム史において最も有名なキャラの1人だ」と語りました。
『Final Fantasy』や 『ウィッチャー』、 to 『Alan Wake』など、多くのファンに愛されているシリーズから、 Alan Wake IIを収録した部屋まで、Xbox Onチームにスタジオの内部を見学してもらいました。
ゲームにおける声優の専門的な見識を探し求めている中で、Xboxチームは、業界最高の2人に意見を聞くことになります。.
Doug Cockle は受賞歴のある声優兼ディレクターで、2005年から『ウィッチャー』シリーズで「リヴィアのゲラルト」を演じていることで知られており、『Alan Wake 2』.のような成功を収めているゲームにも出演しています。『ウィッチャー3 ワイルドハント』ではThe Game Awardsのベストパフォーマンス賞にノミネートされ、Golden Joystick Awardのベストゲームパフォーマンス賞を受賞しました。
そして彼と一緒に答えてくれたのは、才能ある俳優であり、豊富な経験を持つゲーム開発者でもあるAbubakar Salimでした。
BAFTA Games Awardにノミネートされた『アサシン クリード オリジンズ』のバエク役などで知られ、テレビドラマではHBO Maxの『レイズド・バイ・ウルヴス/神なき惑星』や、最近では『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』などに出演しています。また彼は、映画やゲームの制作を行うSurgent Studiosの創設者かつCEOでもあり、最近では「メトロイドヴァニア」タイプのインディータイトル『ザァオ:ケンゼラの物語』をリリースしています。.
ゲームでの収録では、ストーリーやキャラクターはあらかじめ作られていて、それを演じるだけだと思うかもしれませんが、実際はまったく異なります。脚本制作や音声収録のプロセスは、ゲームやスタジオによって大きく変わります。
ストーリーと脚本が固まるまで音声制作を開始しないゲーム開発者もいますが、多くのゲーム開発者は制作パイプラインをスムーズに進めるために、まだ最終決定していない段階から音声制作を開始しなければなりません。つまり、できたばかりの台本で収録セッションに臨むことがあるのです。
ロンドンのスタジオでDougとAbubakarにインタビューした際、Dougは次のように語っています。「事前に台本をもらえないことが多いし、もらえてもその一部だけだったり、キャラクターの説明だけだったり、ほとんど情報がないこともあります。時には現場についてからディレクターから説明を受けて、初見で演技をして、終わったらそのまま解散になる場合もあります」 ”
台本やアートが前もって用意されているかにかかわらず、声優たちは自分の演技を合わせられるように収録に臨んでいます。Abubakarがコメントしたように、ゲームキャラクターの作成と描写は、関係者全員がキャラクターとストーリーを把握したうえで成長させる、高度な共同作業となります。
「声優と開発者、その両方を経験した私にとって、キャラクターを書いたり、アイデアを書き留めたりするプロセスは、ひとつの方法です。そうしてまとまった考えを、他の人にも伝えなければなりません。協力的であればあるほど、得られるものは大きくなります。特に『ザァオ:ケンゼラの物語』においては、誰かに演出指示を出すとき、彼らがセリフを読んだら、それが彼らのキャラクターになりました」
この実験と成長のプロセスは、DougとAbubakarが体験したようにに、続編を作るときにはさらに重要な要素となります。
人気ゲームのキャラクターのファンは、キャラクターと俳優を同一視し始めるかもしれません。しかしキャラクターの人格は1人が作り上げたものではありません。チーム全体が関わって、キャラクターに命を吹き込みます。声優はゲームの収録を通して、ゲームの世界観や登場キャラクターに対する理解を徐々に深め、洗練させていきます。
Dougは10年以上にわたって『ウィッチャー』の主人公の声を担当した経験について語りました。「ゲラルトは時間をかけて成長してきたと思います。脚本家たちがゲラルトのストーリーテリングに自信を持つようになり、私もゲラルトというキャラクターをより深く理解するようになるにつれて、彼がどこまで行けるのか、どこまでが行き過ぎなのかを見極め、私たち全員が徐々に限界を押し広げていくような感覚でした」”
Abubakarにとって長期間同じキャラクターを演じるのは斬新な経験でした。Abubakarは『Assassin's Creed Origins』でシワのバエクの声を担当し、1本のゲームであっても同様の体験をしたと語ります。「バエクの収録には2、3年間かかり、ずっと台詞を収録していました。キャラクターとともに成長し、進化していきましたね」”
SIDEの収録スタジオの一角で、司会のHenryが「素晴らしいパフォーマンスをするためには、このような部屋はどんな役に立つのでしょうか?」と尋ねます。
Dougは答えます。「声優にとって、こういった部屋は何の役にも立ちません。というより、ここは声優が想像力を最大限に発揮できるような、ニュートラルな空間であるべきです。ディレクターやエンジニア、そしてガラスの向こう側で収録を見守る人たちの助けを借りて発揮する想像力から、芸術性が生まれるのです」
「自分に課せられた制限のなかで自分がどれだけできるかです」Abubakarはこのように付け加えます。「実際に馬に乗らなくても、動いているときや馬に乗っているときの動きは想像できるはずです。繰り返しますが、収録スペースの中であっても、動けるスペースは限られています。自分ができることをやり遂げるしかないんです」彼は少し動いたり、ジェスチャーを交えたりしながら、想像力を働かせてよりリアルなボイスを収録する方法について説明しました。「何かを登っている時の声を録音するなら… (*うなり、息を切らしながら*)こんなふうに…」
どんなプロジェクト、声優、ディレクター、エンジニアにはそれぞれ独自のニーズやアプローチがあります。時には音楽を聴いたり、散歩に出かけたり、お互いに交流したりすることがゾーンに入るきっかけとなるのです。
動画が終盤に差し掛かり、Henryは声優に、最終的に最高のゲームパフォーマンスを収録できるようにするための鍵は何かと尋ねます。
その答えは、ひとつのアドバイスというより、協調性と信頼が重要であると強調する、複雑でニュアンスに富んだものでした。
没入感のある体験を生み出すには、キャラクター、あるいはプレイヤーが探索する世界に説得力があるかが大きなポイントになります。特に主人公は、ゲーム内での視点の中心となり、ゲームを操作する起点となるため、この傾向は顕著です。
音声制作には確かな技術が不可欠ですが、最終的な製品はプロジェクトに取り組むチーム次第です。最終的にはエンジニア、ディレクター、脚本家、声優に至るまで、すべての人が関わる共同作業となります。最高のパフォーマンスを引き出すためには専門知識を持ち、より質の高い音声収録が可能な環境を作り出せる基盤が固まっているチームが必要です。
ゲームオーディオのリーディングプロバイダーとして、SIDEは大作ゲームや著名なタレントとの長年の業務経験があり、あらゆるジャンルのゲームで魅力的なキャラクターづくりのためのノウハウを有しています。
魅力的なゲームオーディオや、観客が地の果て追いかけていきたくなるようなキャラクターを作成したい方は、どうぞ遠慮なくご連絡ください。