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SIDE Parisと音声ローカライズの新しいヘッド、Maxime Romanoをご紹介
SIDE Parisと音声ローカライズの新しいヘッド、Maxime Romanoをご紹介

SIDE Parisと音声ローカライズの新しいヘッド、Maxime Romanoをご紹介

PTWは、SIDE Parisのヘッド兼音声ローカライズのヘッドとして、Maxime Romanoを迎えます!  

彼は音声制作やローカライズの分野で幅広い経験を積んできていますが、もっとその人物像に迫りたいと思い、生い立ちからこれまでの歩みの中で学んだことなどについてお話をうかがいました。 


経歴やゲーム業界でのキャリアに惹かれたきっかけについて教えてください。 

私はフランスで生まれ、幼少期はフランス各地を転々としながら暮らしていました。レゴやお絵かきが好きな子供だったんです。でも、6歳の誕生日に両親がゲームボーイと『テトリス』と『マリオ』のソフトを買ってくれたことがきっかけで、人生がガラッと変わりました。  

10代の頃にはゲーム関連ニュースを熱心にチェックしていて、次第にゲームを支える人々や業界に興味を持つようになります。そして、大学院で研究しているうちに、自分にもゲーム業界に関われる道があるかもしれないと思うようになったのです。


ゲームのローカライズ、プロダクション、音声の仕事に就くまでの道のりを教えてください。  

学部卒業後、異文化をもっと理解したいと思うようになり、国際ビジネススクールに入学しました。このプログラムでは2年間の海外留学を選択し、上海に滞在した上で、2K Chinaで初めてゲーム業界のインターンを経験しました。ゲームが開発される現場を覗いて、ゲーム開発がいかに複雑な過程であるかを知ることができ、とても刺激になりました。  

そして私はフランスに帰り、フランス語に特化したゲームローカライズプロバイダーのLa Marque Roseでインターンとして勤務します。そこでは私が追い求めていたあらゆるキャリアの面が現実のものとなり、音声、演技、ナレーションと、新しい世界が広がりました。私は5年間音声プロジェクトマネージャーとして働いていたのですが、あるとき「小規模な」ゲーム、『StarCraft II』が登場します。Blizzard Entertainmentとの協力体制は成功を収め、そのときたまたまBlizzard Entertainmentがフランス語の音声・ビジュアルのスペシャリストを募集していたのです。私はその機会に飛びついて転職し、前の会社の顧客になることにしたのです!  

あらゆるレベルで品質を重視するチームの中で、仲間と一緒に仕事を続けることができたのは、とても素敵な経験でした。そこで私はグローバルVOチームの一員として、開発、制作、マーケティング、PR、コミュニティ、eスポーツといった各分野と調整を行い、ビジネスのさまざまな側面に触れました。フランス語に関する業務が中心でしたが、ゲーム内のマップにパリの背景音を収録するなど、他のシナジー的業務もよくありました。  

Blizzardを退職した後、私はIIM(Institut de l'internet et du multimedia、インターネットおよびマルチメディア研究所)でビデオゲーム・マネジメントのMBA(経営学修士)を取得しました。その後UbisoftやDarewiseでゲーム開発プロダクションに携わる機会がありましたが、最終的には音声ローカライズでの思い出が強すぎたのです。Keywordsで音声プロダクションスーパーバイザーを務めた後、現在はPTWグループに加わり、SIDEが新規開設したパリスタジオのヘッドに就任し、また音声ローカライズサービスのグローバル展開にも貢献しています。 




SIDE Parisのスタジオヘッド、および音声ローカライズヘッドとしての役割について教えてください。これらは別々の役割とお考えですか、それとも両立するものですか? 

スタジオヘッドとしての私の役割は、社内のあらゆるチームとの調整を行い、制作のパイプラインを整えることです。例えば、スタジオの設備開設のサポートはもちろん、フリーランスとの契約など法的な面の業務や、マーケティングや事業開発といった側面もあります。  

一方、音声ローカライズの責任者としては、ローカライズとローカライズQAが含まれるPTWとSIDEがグローバルに展開するゲームローカライズサービスに意識を切り替えています。すべての地域には、それぞれ固有の、時には他にない特徴があることを心に留めておくことが重要です。多くの地域で一つのビジョンを共有し続けるのは難しいことかもしれません。チーム調整と個人のアイデアをうまく両立することが必要になってきます。   



SIDE Parisのビジョンや期待したいことを教えてください。  

最も重要な希望は、SIDEの品質に対するビジョンと理念をパリのスタジオにも根付かせることです。これがSIDEの差別化ポイントです。チームは、様々な専門分野を持つ、才能があり経験豊富な多様な人々で構成されています。そのSIDEのケミストリーを作り、クライアントの期待を超える質の高い音声サービスを提供するために、優秀なチームを編成し続けることが目標です。  

そして、ここでスタジオヘッドと音声ローカライズヘッドという2つの役割が出会います。パリスタジオでは、フランス語のローカライズにとどまらず、他の言語や地域にも対応する体制を作り、音声ローカライズをコアサービスとして提供します。SIDEのあらゆる部分で、プロダクションとそれ以降の相乗効果が期待できそうです。  

SIDEの歴史を振り返ると、例えばSIDE LAやSIDE Shanghaiなどの過程で多くの教訓を得て、それを応用してきました。そこで、SIDE Parisを立ち上げるにあたり、SIDEの複数のスタジオでの経験を生かし、成長し変化し続けるグローバル産業であるゲーム業界において、私たちのベストプラクティスを活用する素晴らしい機会を得たことになります。 


ゲーム業界で10年以上の経験をお持ちですが、その過程で学んだことの中で、特に重要だと思うことはありますか?また、この業界に入る前の若い自分にアドバイスするとしたら、どんなことを言いたいですか? 

この質問は、私の心にとても響くものです。私は毎週のようにこれについて考えているんです!  

まずは、新卒でゲーム業界の仕事に就くのは難しいということを知っておいてください。ゲーム業界は他の業界と比較して小規模な業界ではありますが、熱狂的なファンが多いため、以前の私と同じように、自分の好きなゲーム作りに貢献したいと思う新卒の学生がたくさん集まってきます。  

その中で大切なのは、情熱以外にも、強い忍耐力、決断力、そして常に学ぶ姿勢が必要であるということです。この業界は急速に変化しており、新しい技術やニーズ、仕事が常に生まれています。例えば20年前には、現在のようなeスポーツやコミュニティマネジメントの需要はほとんどありませんでした。  

そして狭い業界だからこそ、強い人間関係を築くことも重要です。私は顔なじみの人たちとよく再会するので毎回驚かされます。例えば、私の親友であり、フランスのトップボイスディレクターであるJean-Philippe Brièreさんとは、私がゲーム業界で仕事をした初日に出会っています。その後、La Marque Rose、そしてKeywords Studiosに移ってからも一緒に働いています。彼は今もテレビや映画の分野で活躍していますが、幸運なことに彼は今後はSIDE Parisでゲーム制作に専念することになるそうです。  

ですから、ゲーム業界では、特に音声の分野においては、私たちの仕事のほとんどは人間関係がベースになっています。SIDEの業務の中心は技術にありますが、最も重要なのは人です。クライアントとの関係を構築し、プロデューサーやエンジニア、音声ディレクターや声優など、関係するすべての人と一緒に仕事をしていくのが肝要になってきます。技術は今後も進歩を続けていきますが、業界のトップを走り続けられるよう、常にチームで協力する重要性は変わりません。 

まとめとして、業界に入りたての頃に自分が思っていたのと同じアドバイスを送りたいと思います。「貪欲であれ、愚かであれ。ゲーム業界はすごいぞ!」